記念貨幣・コインとは
私達が普段何気なく使用しているお金ですが、これはもともとは貝殻や石などを物々交換するときの媒介として使用してきたものが発達したものです。
コインは人間の歴史の発生とともに使われてきたと言ってもよく、そのときに使用されてきたという貨幣には当時の歴史の背景が深く刻まれています。
現在も何か特別な行事がある時には記念貨幣・コインという形で特別なものを発行することがあります。
戦後に日本で発行された記念貨幣の例としては、昭和39年に東京オリンピックを記念した1000円貨幣や100円貨幣があります。
その他にも昭和45年に日本万国博覧会記念として100円貨幣が発行されており、天皇陛下の在位記念や、青函トンネルや瀬戸大橋のような大きな建造物ができた記念に発行されることが多いものです。
そうした記念コインは期間限定、枚数限定で発行されるものなので、コイン収集を趣味にしている人は発行時に申し込みをして受け取るようになっています。
基本的にそうして集めたコインが後に額面よりも値上がりするということはないのですが、コレクターにとっては発行される記念貨幣全てを集めることに意義があると言えるでしょう。
日本初の貨幣とは
日本において、歴史上初めての貨幣とされているのは683年の「富本銭」と言われています。
これは中国の「開元通宝」をもとに作られたものと言われており、円形のコインの中央に四角い穴が開いているところが特徴です。
本格的に貨幣として流通するようになったとされるのは708年からの「和同開珎」で、その後250年の間に金貨や銀貨など複数の種類の貨幣が発行されるようになっています。
この和同開珎については現在も当時使われてきたものが残されており、日本銀行金融研究所の貨幣博物館などで展示されているものを見ることができます。
世界初のコインとは
一方、世界で初めて作られたコインとされているのは、今から4500年以上前の古代メソポタミアのものです。
メソポタミア文明といえばチグリス・ユーフラテス川の間に生まれた文明として社会で習ったと思いますが、この古代文明についての記録には銀貨を使って代金の支払いをしてきたということが残されています。
といっても当時のコインは現在のようにきれいな円形をしていたというわけではなく、交換する品物により銀の重さを測ってそれをお金の単位としていた、とのことです。
ではコインとして最古のものはというと、これは紀元前7世紀頃のリディア王国(現在のトルコ西部)のエレクトラム硬貨とされています。
このエレクトラム硬貨は金と銀の合金で作られていたもので、やはり重さにより貨幣の価値が決まっていたとのことです。